暇をつぶすと汁が出る2

◆気になることや気に入らないこと◆

残念だった「ゼロ・グラビティ」

 夏に観た「パシフィック・リム」の予告で「ゼロ・グラビティ(原題:GRAVITY)」を見せられて以来、長らく見る機会をうかがっていたが、先週ようやく実現した。久しぶりのハードSFでもあり、またビジュアル面でもかなりの期待を持って3Dの吹き替え版(3Dだと字幕が読みにくいので)を選んだ。宇宙を舞台にした映画ではいまだに「2001年宇宙の旅」を凌駕するものはないと思い込んでいる自分だが、宣伝文句でもそれ以来の衝撃とか書かれているので、さぞかしコーフンさせてくれるのだろうと盛り上がるだけ盛り上がって劇場を目指したが、案の定、初めて出かけたユナイテッド・シネマ入間が見つからず迷ってしまった。それにしても3Dっていうだけでどうして割増料金になるのか。プログラムと合わせると90分そこそこで3,000円も取られるのは、個人的にはキツイものがある。
 監督はアルフォンソ・キュアロンというメキシコの人で、記憶にあるのは「トゥモロー・ワールド」(2006年)の長回しとガラス窓や車の内外を素通りするといった特殊なカメラワークである。出演(画面に映る人物)はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの二人。それと無線の声がエド・ハリスとのことだが、吹き替えなのでほぼ関係ない。物語は単純で、宇宙(地球の周回軌道)に放り出された二人の人間がどうやって地球に帰還するかというものである。
 以下、ネタバレを含むので、見るつもりにしている人は「続きを読む」をクリックしないように。…こんな辺境のブログなど誰も見てないか。



 映画の冒頭からいきなりカットのない長回しが始まり、ロシアの衛星を爆破したための破片が猛スピードでこちらへ向かい、主人公たちが作業するシャトルがぶっ壊れるまでを一気に見せる。この時、一人が宇宙に放り出されるが、なんとか助けられる。実はハラハラしたのはこのあたりまでで、このあと、なんとか助かった二人がロシアの宇宙ステーションを目指す。しかし、ようやくたどり着いた宇宙ステーションで、アクシデントにより結局一人だけになってしまう。ここのくだりはジョージ・クルーニーが自ら犠牲になる感動的なシーンのはずなのだが、一旦は手をつかんで慣性がゼロになっているにもかかわらず、何かに引っ張られるように去っていく描写がどうしても納得できず、最後まで腑に落ちないままだった(このシーンについては本物の宇宙飛行士も疑問を投げかけているとネットで読んだ)。この映画の一番のポイントである無重力感は、いつも人物がカメラに対して頭が上の状態で映されているせいか、不安定な感じがもうひとつ伝わってこない。また、どうしようもない孤独感というのも地球の周回軌道上という設定のためか希薄だった。たしかに、とても合成やCGとは思えないリアル(に見える)な映像なのだが、あまり物語に生かされていなかったような気がする。このあたりは45年も前に作られた「2001年…」のほうがよほど無重力や孤独感の表現は上だと思う。
 ラストは中国の衛星で帰還するのだが、スイッチ類が中国語なのに、適当に押したボタンが大当たりだったりするなど都合の良い展開で、急いで物語を終わらせようとしている風に見えた(衛星内に浮遊する卓球のラケットには受けた)。どことも知れない湖だかに着水したあと、衛星内に水が入ってきて溺れそうになるが、実は、この映画で一番ドキドキしたのがこのシーンだった。最後、彼女が立ち上がったところでタイトルのGRAVITYがバン!出て、ここで初めて邦題のセンスのなさが伺えるという皮肉。それはともかく、期待が大きかっただけに、しかも、かなりこだわったであろう無重力状態の表現でミソを付けたという残念な作品だった。
 映画そのものとは無関係だが、たまたま今朝聞いていたラジオ番組で、年末年始のお奨め映画を紹介するコーナーに有村昆(ありむら・こん)という人が出てきて、ゼロ・グラビティについて語っていたが、まず、「出演はサンドラ・ブロックで、たまにジョージ・クルーニーがちらちら出てくる」とか「隕石によってシャトルが破壊される」、はては「無重力だから音が伝わらない」など、まったく映画を見ていないと思われる発言と無知ぶりを露呈していて、大いに笑わせてもらった。
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テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

  1. 2013/12/28(土) 16:50:13|
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松井大和

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